おのちん

彼女がその名を知らない鳥たちのおのちんのレビュー・感想・評価

1.0
乳首だけは絶対に見せない斜め上の女優魂。

さすが主演女優賞。蒼井優ちゃんの演技はすばらしかったです。ご両親が大阪出身だけあって関西弁も完璧。ほかの俳優さん(竹野内豊の奥さん以外)は、ネイティブしか気づかないありがちな標準語イントネーションの関西弁がちらほら混じってました。

ただ、蒼井優ちゃんはあれだけエロエロねちねちのシーンに挑戦してるくせに乳首だけは絶対に見せないという不自然極まりない状態。「わたし、乳見せNGなんでー」ってことなんでしょうか。乳首が見えないことが不満なのではなくて、そこまで大胆なシーンやってるのに不自然すぎるのでは?それなら最初からエロシーンは濃厚キスだけとか、カットでもいいくらい。門脇麦ちゃんとか安藤サクラを見習ってほしい。

松坂桃李くんのキャラは、「似た者同士だね」とか「運命だね」とかの、よくあるナンパテクニック(コールドリーディングというか、それ以前のもの)を駆使したり、トラベルポエムを暗記したり、超薄っぺらい男の設定が面白かったです。

それはそれとして、前から本作を見るのを楽しみにしてたのですが評価は限りなく0点に近い1点でした。その理由は、蒼井優ちゃんが実はあんな状態だったという点。阿部サダヲは「自分を守ろうとする本能がそうさせたんや~!」と言ってましたが、脚本のあまりのご都合主義にポカーンとするしかなかったです。強引な展開すぎて説得力なさすぎ。ホセメンドーサが急に白髪になってしまうほうが、まだ説得力あります。

あと最後のシーンで、阿部サダヲが「俺がもう一回、お前から生まれるんや!」みないなメルヒェンなことを急に言い出したことと、そのあとの行動にも違和感が。阿部サダヲ(が演じる夫)のキャラならそういうブッ飛んだことを言っても変じゃないよね、という性格付けがそれまでのストーリーで作れてないので、いきなりそんなお花畑なこと言い出されても納得・共感できず、またまたポカーンとするしかなかったです。(あるいは最後の錯乱状態の表現?)

阿部サダヲが、彼女がその名を知らない鳥に転生してしまった最後の行動も、それをすることで何か状況が改善するとも思えず、ただただ蒼井優ちゃんに対して取り返しのつかない深いトラウマを与えるだけの、かなり間違った愛情表現だったんじゃないでしょうか・・・。それが大切な人への深い深い愛だとか言われてもただの自己満だし、謎行動すぎてまったく理解できひんかったやでぇ。

2018.6.16
おのちん

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