バナバナ

バトル・オブ・ザ・セクシーズのバナバナのレビュー・感想・評価

4.0
ビリー・ジーン・キング夫人。
スポーツ音痴の私でも見た事あるなと思ったら、マルチナ・ナブラチロワとよくダブルスを組んで、優勝していた人だったんですね。

「私が家族を食わせている」だの、夫が「捨てられる」だの台詞で言っていましたが、ウィキったら、ご主人は弁護士兼不動産業をされていたらしいので、決して夫が彼女に経済的におんぶに抱っこをしていた訳ではなかった様です。
キング夫人といい、ライバルのコート夫人といい、イケメンで献身的な夫が居るのは、やはりプロテニスで優勝する様な強い女には、優しい男がくっつくのでしょうか。
「彼女は夫や愛人よりも、一番はテニスなんだ」なんて言ってくれる、こんなにも妻の事を分かってくれている旦那さんが居るなんて、羨ましい。
私だったら手放しませんけどねw。

対戦相手のボビー・リッグスさん。全く存じませんでしたが、ムッチャ面白いおっちゃんですね。
賭け事がやめられず、山師的にこういう男女で戦う試合をセッティングするなんて。
この人も、しっかり“国際テニス殿堂入り”を果たしている名選手だったんですね。
前妻の息子との関係とか、妻との関係とか、もっとキャラクターを掘り下げられそうな感じだったけれど、あまりこの人に注目してしまうと誰が主役か分からなくなるので、敢えてこの程度にしといた…、という感じがしました。
しかし、こんな運動不足のおっちゃん、前後左右に揺さぶりをかけたら、すぐ勝ちそうな気がするけど、キング夫人のライバルのコート夫人は、どうして負けちゃったんだろう。不・思・議?

キング夫人はあくまでも、いろいろ煽ってきたボビー・リッグスではなく、その後ろにいる全米テニス協会のお偉いさんが真の敵だと分かっている。
だから、この勝負は受けねばならないし、しかも絶対に負けられない。
彼女はコートで感情を剥き出しにして戦うタイプの選手だったそうですが、この敵を前にすると後には引けない性格故に、テニス界、はたまた世の中一般に蔓延っている“女は男に劣る”という価値観に闘いを挑まずにはいられない。
現代のテニス選手と比べれば、こんなに体が小さい人なのに、外見からは測り知れない正義感の強さや、負けん気が面白かったです。
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