知

火花の知のネタバレレビュー・内容・結末

火花(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自分の面白いを貫き、こだわり、お客さん等誰かのためにお笑いをしているというより自分のためにお笑いをしている神谷。そんな神谷に憧れ弟子になったが、自分の目指す笑いと世間が求める笑いの良いバランスを見つけ売れていく徳永。
徳永は次第に自分の笑いではなく世間の笑いに執着するようになり、相方ともギクシャク。神谷も借金や売れない現実から弟子の徳永の髪型を真似するまでになる。
自分を貫く憧れの神谷が世間体にバッチリ合わせた自分の真似をしたことに悔しさと怒りをぶつけるシーンが印象的。そこから神谷も改めて自分らしい芸を思い出したのか、何故か豊胸。そこめちゃ面白かった。

当時そこまで売れていない芸人が多数出ていたが、現在ではテレビに出ているような芸人もおり、そのバックボーンをこの映画で見ているかのようだった。お笑いファンならとても刺さると思う。

菅田将暉と桐谷健太は関西出身ということで、2人のテンポの良いやりとりは癖になる。きっと板尾監督と3人だから出来た芸人の空気感・間なのだろう。
菅田将暉のようなイケメン芸人が売れることも多々あり、だからこそ世間の笑いと自分の笑いでの葛藤が生まれるんだろうな、と菅田将暉が演じたからこそ考えさせられた。
桐谷健太はどんどん芸人として廃れていく姿が妙にリアルだった。
知