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ハウス・ジャック・ビルトのaratakiのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

建築家になりたかったシリアルキラーが
自分の”理想の家”を建てるまでの人生を
振り返り、語っていく。

今までにもシリアルキラーを題材とした作品は
何本か観てきたけれど、
本作は少し異質なものに感じた。

ジャック自身の狂気性や凄惨な犯行シーンで
派手に魅せるというよりは
シリアルキラ―という存在を日常に落とし込み、
彼の”生活”そのものを映しているので
ある種のドキュメンタリーを観ている感覚に。

強迫性障害によって
犯行現場に何度も戻ってしまったり、
犯行を重ねるに連れ、どんどん大胆になっていく様は
《捕まえてほしい》という根底部分の欲求、
気持ちの表れにも思えた。

シリアルキラ―の特徴の一つとして
自分の犯した罪を“作品”として残す傾向があるが、
おそらくジャックにとってはそれが
家という形だったのだろう。

”芸術”という言葉を使って自分を正当化し、
猟奇的殺人を繰り返す思考や言動は
到底理解できるものではないけれど、
映画作品としては見応えのあるものだった。
(とは言え、決して気持ちの良い内容ではないので
万人にオススメはできない...
ある程度の耐性がないとキツイかな、と。)

観た後はなんだかどっと疲れてしまった(苦笑)



2021-005
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