このレビューはネタバレを含みます
これは凄い傑作。
冒頭からグイグイと作品の世界に引き込まれる。
次々と現れる疑問の数々によって頭が混乱してくるが、後半パートから一気にそれらが明らかになってゆく。
この謎解きはもはや快楽ですらある。
15年という途方も無い時間監禁されたという衝撃的な設定から、主人公デスに否が応でも感情移入させられながら物語が進む。
ところが、彼を監禁した”謎の男“ウジンの行動の理由が明らかになるにつれ、デスとウジンに対する目線が完全に逆転する。
クライマックスは正に主人公と敵役が入れ替わる瞬間!
チェ・ミンシクの凄まじい演技も流石だが、ウジン役のユ・ジテの演技が非常に印象に残る。
ウジンの復讐は完結し、同時に彼の”愛“もデス達に受け継がれる。
一見ハッピーエンドに見える終わり方だが、良く考えると非常に不穏な終わり方でもある。
ここら辺の余韻の残し方も凄い。
パク・チャヌク監督の技量を堪能出来た。
ごちそうさまでした!