RAY

オールド・ボーイのRAYのレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
3.8
“復讐には復讐を”


どこかで聞いた台詞をタイトルにしてしまいましたが、非常に面白い作品でした。

この映画は、少し前に自分自身に対して“荒療治”を行った際に、その他のおすすめ作品として教えて頂いたのが今作でした。
実は、それ以前にもこの作品のおすすめは頂いていて、せっかくの機会なので鑑賞してみました。


原作は日本の漫画だそうですが、韓国映画って本当に面白いですね。
凄く残酷だしグロテスクなのに、ちょっと目を背けたくなるのに、それでも観てしまう。
ストーリーの面白さはもちろんですし、ひとつひとつのシーンの印象と言うか、衝撃と言うか、そんな部分の表現や構成がとても素晴らしかったと思います。
特に構成に関しては、衝撃的なラストに繋がるまで、笑える部分やシリアスな部分、そしてミステリアスな部分までが巧く作られていたと思います。

『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー賞獲得で、今でこそ韓国映画に注目が集まっていますが、それ以前から韓国映画の実力が凄まじかったことをあらためて感じました。
こんな様なことは、ここ最近で観た作品もそうですが、色んな作品を観る度に感じます。
僕のモノサシなので参考にもならないかもしれませんが、それだけ韓国映画全体のレベルが高いと言うことなのだろうなと僕は思っています。


演技に関しては、チェ・ミンシクの独特の表情と間にとても引き込まれました。
アクションに関しても、飛び抜けて凄いことをしている様には見えないのに、たとえば溢れ出る熱量だとかオーラみたいなものが目に見える様で、観ている方はドキドキしたりハラハラしたりさせられます。
ヒロインを演じた、カン・へジョンも強さと儚さを合わせた様な難しい役どころを演じ切っていて、本当に素晴らしい女優さんだなと思いました。


さて、この作品は荒療治の延長戦みたいな意図もあって鑑賞したのですが、思っていた事とはまったく違う気付きがありました。
それは、“残酷”だとか“グロい”だとか見た目から入ってくる表現だけにとらわれずに観ると言うことです。
このレビューも鑑賞してから数日経った今、書いているのですが、本当についさっき頂いたコメントでハッとさせられたのです。
表現の裏側にあるメッセージや映画全体としての面白さの様なものに目を向けることで、その映画の見え方も随分と変わるんだなぁと思います。
この映画に関しても、「結構グロかったな〜。ラストも衝撃だったなぁ〜。でも、ストーリー面白かったなぁ〜」みたいな感想だけでなく、その裏にある何かを感じられる作品だったなぁとこのレビューを書きながらあらためて感じています。


ぴぃさん、ご紹介ありがとうございました。
ふうさん、コメントありがとうございました。


観終えた後は少し鬱になりかね無い作品ではありますが、ストレートなメッセージは生きることに繋がっている気がします。


観て良かった。
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