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ゆれる人魚のSAVEのレビュー・感想・評価

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
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鮮やかな色彩と、ポーランド流のミュージカルに彩られたダークな御伽噺。
大筋はアンデルセンの童話「人魚姫」そのままだが、人魚の姉妹を主役に据えたことで、人間の男に心奪われて人間になろうとする姉と、人間を喰う怪物としての人魚である妹との対象的なドラマが良い味を出している。

先日観た、「RAW〜少女の目覚め〜」同様に、この映画も少女の成長を人魚が人間になる過程で描いているのだと思う。人間になって初めての性交は失敗に終わり、相手の男の腹まで赤い血で濡らすが、これは破瓜のメタファー?

ラストはご想像の通り。それでも泣いてしまった。姉を想う妹の気持ちがたまらなく切ない。

人魚の造形は下半身にナマズの尻尾をくっつけたみたいな生々しさがあって不気味だし、人魚の人喰い設定故の血なまぐさいシーンもあるため、万人に勧められる内容ではないものの、私は好きな映画でした。
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