狭須があこ

ナンシーの狭須があこのレビュー・感想・評価

ナンシー(2018年製作の映画)
4.0
アメコミに生まれず、ジョーカーにならなかった、無数の人々のなかの一人。

「日本で1つの映画館だけでしか公開されない映画、大概東京でずるい」と常々思っているので、東京に住んでる今がチャンスとばかりにそういう映画を探しました。

これこれ!こういうやつ!!
東京最高!!
あ、パンフレットも作られてないんですか、そりゃあそうですよね(うきうき)

…ポスターのインパクトでホラーかスリラー系のマジキチ映画を想像していた。
ブシェミを劇場で見てやる!ってテンションでマジで何も知らずに来たら、わりかし真面目で丁寧なヒューマンドラマでした。(Filmarksさん、ジャンルこれミステリーでいいんですかね)

彼女には目論見があって、人生大逆転のために狡猾に動いているのか?
生い立ちのせいで心が病んでいて、現実と妄想の区別がついていない状態なのか?
途中、彼女が何を考えているのかがさっぱり掴めなくて、検査結果がハッキリした頃になってやっとジャンルを確定させれた感じです

スッキリするの、遅

しかしパッケージ詐欺に近かったわりにそんだけ引き込まれたので、満足感ありました。
マジであらすじだけ言ってしまえば大したこともないので、魅せ方が上手な作品なんだなと思います。

だからこそ、この映画を宣伝するためにナンシーの言葉を「嘘で塗り固めた私の人生」「探しているのは本物のぬくもり」なんて言葉で代弁して、いいのかな~~。

自分の人生をどう思ってて、一体何を探していたのか?
それがハッキリ描かれないところ。
確定の言葉と場面を描かないところ。
そここそが、この作品の魅力なんちゃうんかいなと思いました、でんがなまんがな(来月関西帰ります)

クリスティーナ・チョー監督。
全然聞いたことないですが、この映画がジャンプ漫画だったならば、読者アンケートの「この先生の別の作品を読みたい」に丸つけて出します。
次回作に期待してます
狭須があこ

狭須があこ