グラッデン

カンフー・ヨガのグラッデンのレビュー・感想・評価

カンフー・ヨガ(2017年製作の映画)
4.0
「 娯楽超大作」という金看板を高らかと掲げるべき作品ですね。

アクロバットな動きで観客を魅了するカンフーアクション、如何なる展開でも明るさを失わないインド映画のムード、アジア版インディ・ジョーンズとも言える壮大な世界観、そして様々な要素を1つの作品にまとめてしまう予算規模。ある意味、奇跡の一作かもしれません(汗)

印象に残ったのは、主演・ジャッキー・チェンの立ち位置でした。本作は、アクションヒーロー・ジャッキーがノンストップで動き回るスター映画でも、あるいは『ラッシュ・アワー』のようなバディムービーでもありません。

もちろん、主演として物語を牽引する役割を担うわけですが、彼を中心とする仲間たちの物語になっていたと思います。

作中で何度か使われた言い回しの中で、彼演じるジャックを「最高の考古学者」という周囲が紹介に対して「一介の学者」(One of them)と訂正していたのは、まさき本作における彼の役回りを暗に表現していたのではないか、と深読みしてみたり。

また、無駄に噛ませてきた社会情勢(一帯一路政策、中印の微妙な関係性)やテクノロジーの存在を肯定的に捉えるなど、作品全般として懐古的な作りではなく、今だから作ることができたジャッキー映画として成立していたのは好印象でした。非常にはちゃめちゃな内容でありますが (笑)

あと、鑑賞前から予想はしてましたが、ラストはズルいですね(笑) 魔法の言葉と思うくらいに強烈にインパクトを残して綺麗に締まりました(と感じさせる)。

仕事の疲れも吹っ飛ぶ、見れば元気になる映画ですね!ジャッキー半端ないって!お元気で!と叫びたくなりました。