emily

消された女のemilyのレビュー・感想・評価

消された女(2016年製作の映画)
3.3
 韓国で実際に起こった拉致監禁事件をモチーフに、日中の大都会で突如何者かに拉致され、精神病院に監禁され薬漬けにされてしまうカン・スア。彼女の書きとめてきた日記がテレビプロデューサー・ナムス宛てに届き、興味を持ったナムスはカン・スアに取材を繰り返す。そこから彼女が過ごした地獄の一年が浮き彫りになっていくが・・

 一年後の今とカン・スアの過ごした過去の回想が上手く絡み合い、法律の穴と国の闇が見え隠れしていく。今と過去が交差される事で、物語の展開にスピード感をもたらし、その展開にぐいぐいと引きこまれていく。終盤には見事に観客を裏切り、感情移入の対象を見事にひっくり返されラストをむかえる。張り詰められた伏線もしっかり回収され、コンパクトな中に見事に物語を展開していき、最後一気に畳み込んでくれる。若干の謎は残るが、見ごたえは充分ある。
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