emily

はじまりのボーイミーツガールのemilyのレビュー・感想・評価

3.8
 12歳のヴィクトールはテストで0点を取ってしまうほどの落ちこぼれ。一方マリーはチェロリストを目指す優等生。ある日マリーから話しかけられ徐々に距離を縮めていく。しかし彼女がヴィクトールに近づいたのは、視力が徐々に低下しているマリーが彼を利用するためだったことを知り・・・

 二人の配置、ヴィクトールの友人達との音楽セッション、赤と黄色の原色が寄り添い、二人の世界をスタイリッシュにカラフルに彩る。メロドラマさながらのシチュエーションでありながら、ジワリジワリと二人の距離は縮まり、離れ、家族や友人達も巻き込み、恋する気持ちの原点を問う。親たちの苦悩、子供達の苦悩。そんな中でたった12歳のヴィクトールはマリーに恋して、一人悩み決断する。

 誰かを好きになるってそうゆうことなんだって、素直なその気持ちに胸打たれる。その人が大事な物も大事になって、その人が好きな事も好きになって、自分ではなく、一番に相手の事を思えるということ。大人になって淀んでしまった大人達の”恋愛”に理屈抜きの直球で見せてくれる瑞々しいラブストーリー。

 キュートでわくわくさせてくれる。頑張ってる姿は人を動かし、それは周りも巻き込んでくる。でも人好きになるって単純な事・・忘れてた誰かを好きになる気持ちを思い出させてくれる。
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