(あらすじ的な何か)
念願のホテルマンの研修を始める、という夢の第一歩を踏み出そうかという時に発症した弱視。
なんとか残りの視力を残す為に手術を行ったが、残った視力はわずか5パーセント。
人の顔どころか、文字も紙に顔とルーペをべったりとくっつけてもわずかに見えるだけ。
それでも夢のために弱視だということを伝え、研修先を探し始めるが、断られてばかり。
そんなサリヤは、夢を諦めず、弱視だということを隠して研修に挑む。
(感想)
家から駅までの歩数、方向、ロビーのソファの位置、相手とのコミュニケーションの取り方。歩数や、視力の代わりに発達した聴覚で音や声、物の場所を覚える。
あらゆることを想定して、繰り返し繰り返し練習をして覚える。
サリヤの並ならぬ努力が見逃せない。
何度も何度も見えないグラスの曇りを磨き続けるサリヤ。
どこに目をつけてるんだと言われても、見えない曇り。
何度もやり直しをさせられ、苛立つサリヤだが、家に帰ってから、ワインが入ったグラスと、なくなった後の濡れたグラス、汚れたグラスなどの音を繰り返し確かめていく。
最初は単純に、この悔しさに叫んだり、声を荒げたりしない、くじけないサリヤがとてつもなくすごいと思った。
けれどくじけない人間などいない。
本当は想像を絶するほどの辛い道のりだったけれど、ずどんと重い映画ではなく描かれている。
他の方のレビューにも書いてあったように、その分見ている側が、その壮絶さに声をあげたり、泣き言を言いたくなる。
それでも、夢を追い続けた主人公を尊敬する。そして周りの家族や友人など支えてくれる人たちにも感謝!