韓国版を劇場で観ようとするも満席だったのでまずはこちらを鑑賞。
何となくジャケットのスタイリッシュな感じからサイコ系なのかと後回しになっていたけど、女性二人の成長、友情というフィルターを通しながらも、人の心の脆さや危うさを描き出す、切くも優しい物語だった。
生涯の友と信じながらも異性、恋愛感情の芽生えとともに侵食されていく二人の聖域。
幼い頃には無垢なお互いへの憧れだったに違いない感情から変化していく愛情、憎悪、嫉妬などなど。
抗えない生々しい感情に翻弄されながらも優しくあろうとする二人の少女の物語を、ストーリーや構成の複雑さも手伝って、感情移入や共感の難しいなか見遣っていくのはなんとも複雑な心境。
でも物語が進むにつれ、わだかまりや二人の関係性、真実が明らかになっていくことで、物語は二人だけの温かくて思いやりに溢れた友情に昇華されていった。
お互いの気持ちって本当にわからない。想像すればするほど乱暴になったり、悲観的になったりしてしまう。それもこの物語ではかなりの重量感のある体験ばかり。
それでもお互いの手を離さなかった二人は、だからこその友情で結ばれていったのだと思う。
親友と呼び合う友人には恵まれたけど、それとも違うであろうソウルメイトが果たして自分にいるのか、必要なのかは自問自答が残った。
自分的には湊かなえさん原作の『少女』を観た後の感覚に近いものがあったかな。
主演は『サンザシの樹の下で』のチョウ・ドンユイちゃん…あの頃の底なしの可愛らしさには、大人らしさを帯びていて演技にもとても魅了された。
韓国版もやはり気になる…
