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おっさんのケーフェイのTRBのレビュー・感想・評価

おっさんのケーフェイ(2017年製作の映画)
4.1
「プロレスいうのは生き方や」

ケーフェイとは、プロレスの演出や演技を指す隠語

プロレスの魅力、これがわかるかどうかで作品の見方が変わるかもしれない

ただ、最高に情けなくイカしてる

プロレスキッズだったあの頃を思い出した


大阪の小学生ヒロト、クラス披露する特技もなく夢中になれるものもない

放課後は冴えない友達2人と、河川敷で1人プロレスをするおっさんを眺めて時間を潰す

ある日、道頓堀プロレスのダイナマイト引退試合を見せてもらったヒロトは、プロレスに魅了される

帰り道で中学生に絡まれた彼を助けてくれたのは、河川敷でプロレスをするオッサン

なんと彼はダイナマイトウルフのマスクを持っていた


なんかスゲーわかる

漠然と『強い男』に憧れていた子供時代

映画ではスタローンに憧れ、タイガーマスクをはじめ数々のレスラーに心奪われた

サッカーも野球も興味がないけど、『強さ』への憧れは人一倍あったかも知れない

高田に夢を見て、桜庭で泣いた世代

あの頃、最強高田の敗北と共にプロレスの神話が崩れたショックで打ち震えた

時代はグレイシー柔術、何でもありのガチンコではプロレスラーは勝てない

しょせんショーだったんだ

そんな小坊主の救世主桜庭和志が、UFCジャパンで勝利し宣言した一言

「プロレスラーは本当は強いんです」

この一言にどれほどの日本格闘技ファンが泣いたことか

あの熱い気持ちを思い出した

敗者がいるから、また勝者も輝ける

その意味がわかったヒロトと友達はきっとデカくなる

ベタといえばベタだし、固さと安さがあるけども、プロレスはやはりドラマを生むと思った作品。

でもよく言われた

なんでロープで跳ね返ってくるん?
プロレスは嘘ばっかやん?

そうじゃないんだよ
プロレスとは人生の教科書である

そこにはドラマがあるんだよ

だから我々は未だ心揺さぶられ観てしまう

拳を握りしめて、あの日の少年のままで
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