アズマロルヴァケル

ヒットマン:インポッシブルのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.7
バリバラで紹介してほしい北欧映画

先天性の病気で手術をしないと生きられないゾリと友人のバルバはある日元消防士の殺し屋ルパゾフのお手伝いをお願いされる。ギャングのボスからの依頼でルパゾフらはターゲットを暗殺していたのだが、ひょんなことからルパゾフがボスを裏切ったことからバルゾフは復讐を図るという話。


アクションというよりはドラマ面が多く、どちらかと言えば障害者の葛藤や苦悩の部分が強いのが印象的ではありました。ガンアクションは少々少なく、袋に被っている拳銃で車椅子に乗ったまま地味に一発で相手を仕留めるので敵と激しい銃撃戦になるってこともないし、ボスとの戦いもあっさりフェードアウトして終わるのでアクションは期待しないほうがいい。

多少ルパゾフの過去の描写があまりにも説明不足だったりするのですが実はそれ自体が物語の伏線であり後に納得のいくラストが描かれてはいる。

また、ゾリやバルバ役は体型からして実際の身体障害者とみられる人間が演じているためか妙にリアリティがあって説得力があるのが見どころ。実質バルバが日常生活で必要な動作をしても指が勝手にブルブル震えていて不便だったりゾリに至っては異常に肩幅が大きすぎる体型なのは流石に一般人でも
なさそうな体型なので実にリアルである。

それでいて、この映画の登場人物がどうも手塚治虫の短編に出てきそうなキャラクターにいそうな顔つきだったり
物語でゾリとバルバが何故か次のシーンを漫画で事細かく描いていたりとちょっと引っ掛かるところがあり、そこも実はラストのオチの重要な部分だったりするので最後まで細部をよく見て頂けると楽しめるはずで、ロッテントマトで88%の高評価なのは納得のいく映画ではありました。