adagiette

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のadagietteのレビュー・感想・評価

4.5
ストリープ&ハンクスで実話モノ
当然、期待大だが、裏切らない仕上がり。

まず、タイミングがいい。
平気で fake を流すトランプ政権下だからこその、 amendment 1 の重要性が強い意味を持つ。
ある意味、選ばれた人々・エリート社会の中の出来事である。
渦中の人物や大統領と、報道サイドの社主・記者が 旧知の仲であり、互いに敬愛する友である。
これまで、ホワイトハウスや政府中枢にいる名誉ある友を窮地に立たせる記事を書く、などと考えたこともなかった。 
だからこそ、彼らのプライベイトな側面も知り得たのだし .....だが、報道機関は権力の監視役にならなければならない。
嗚呼、これ 今現在、まさに日本の抱える課題じゃないか .......

そして、父の新聞社を継いだ夫に早死にされ 思いがけず社主という立場に立たされ、身近な者の助力を仰ぎながら奮戦してきた 普通の女性を軸にしたのが功を奏した。
ストリープは、とっても普通の上品なおばさま風に登場する。
決して雄弁ではない。
ゴリゴリがんばる女性記者もひとり登場するが、彼女とて女性の権利を声高に叫んだりしない。
有能でちゃんと協調性をもって働く。
ハンクスの妻は、あまり文句も言わず献身的にサポートするが、ここが天王山と十分すぎるほどに理解している。
賢いんですな。
そして端々に登場する女性たち。
みな控えめだが、そっとその意思を表現している。

クライマックス 女性記者が、最高裁のジャッジを電話越しにききながら、フロアに叫ぶ。
"The press was to serve the governed, not the governors.

スカッとしましたな。
新年度、ちぃとはマシになるように〜!

老眼鏡
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