たまこ

地獄愛のたまこのレビュー・感想・評価

地獄愛(2014年製作の映画)
3.4
平坦な毎日を過ごすシングルマザーのグロリアは、オンラインで知り合った男ミッシェルと思い切ってデートをし、一目で恋に落ちてしまう。
ミッシェルが稀代の詐欺師だと知った後も彼から離れず、子供を置き去りにしてまで彼の詐欺に加担するようになるグロリアだが、彼女の強すぎる恋心により事態は思わぬ方向へ転がり始める。


完全なるメンヘラ、グロリアの熱情がひたすら怖い。
時々癇癪を起こし、子供のようにジタバタ暴れる中年女性の迫力ったらT-REX並みである。

しかし詐欺師ミッシェルもそんなグロリアにハマってしまうんだからもう世話ないわ。
同情に値しないアホな中年カップルの純愛をしばし見せられるわけだが、そこはさすがフランス映画。退廃的かつシュールな演出で、観る者の興味を駆り立て続ける。
グロリアが彼への想いを歌い出す突発的なミュージカル演出もなんだか自然に思えてしまった。

だが、下半身主導で息をするようにウソをつくクズと、感情主導で人を縛るメンヘラというこの最悪タッグの盲目的な熱愛が長続きするはずもなく、ミッシェルの下半身事情とグロリアの異常な執念が悲劇を招く。

主役の2人に魅力は感じないものの、最初から最後まで夢中になって観てしまったのは、極端な2人の中にある種男女の普遍的な問題を見出せるからなのかな。

主人公2人は反吐が出るほど嫌いだけど、この映画は嫌いじゃない。