13歳のエヴは、母の自殺未遂をきっかけに離れて暮らす父の住む家で暮らすことに。そこには事業で財を成した祖父や叔母、父の新しい妻と子も居るが、みんなどこか空虚でよそよそしい。
エヴと祖父が、互いの厭世観を共有した時が唯一、この物語の中で人と人が心を通わせ合った瞬間だった気がする。
登場人物みんな難ありで、人間の残酷さがやたら際立つ描写だった。
そんな中で最も人間的だったのは1番の厄介者、ポンコツピエールだったかも。祖父の立ち上げた建設会社の社長候補なのに、仕事ができずクビになってヤケになり、母であるイザベル・ユペールの結婚の邪魔をする。
でもそんな人間的なピエールに嫌悪の目を向けてしまう我々視聴者も、やはり残酷なんだろう。
何がハッピーエンドなんだか、ハネケらしい、なんとも言い難い後味の映画である。