行定監督作品を観るのは、「ナラタージュ」に続いて今作で2回目。
行定さんは、生や死を真剣に見つめている人だなと感じた。
どうやって感想をまとめたらよいのかわからない。わたしの語彙力では限界があるので、印象に残った事を書くことにする。
強烈な映像として思い出されるのが、吉川さんの食べる姿。食べ物を口に入れる瞬間…。
山田くん、吉川さん、観音崎くん、ルミちゃん、ルミちゃんの姉、田島さん、登場人物の生き様は、個性的で、いびつで、でも必死で、物語的には暗い話なんだけれど、暗いだけではすまされない真実があって、それぞれのエピソードが、積み重なって一枚の絵になるような映画だった。
吉川さんが、ハルナのことをこう表現していたことが印象に残った。「若草さんは、大丈夫。何も関係していない人だから」
…つまりは、傍観者ってこと…?
ハルナのインタビューで「生きることは、感じること。傷つきながらでも生きていきたい」と言っていたのが、そういうことなのかもしれない…。と思った。
わたしは山田くんの台詞で泣かされることが多かった。山田くんの背負ってきたものを想像すると涙が出てくる。
片想いの彼を見つめながら
「彼が存在しているだけでいい」
とか、
「僕は死んだ田島さんの方が好き」
という言葉が胸に迫ってくる。
傍観者のハルナだからこそ、山田くんの助けになることができたわけなので、傍観者であっても惡くないな…と思った。
人には、その人だけの生き方があり、この世の中で与えられた役割があるのだろうと思った。