久々のcocoの試写会にて。
ちょこっとあらすじ
夫のDVから逃れ、13歳の息子ヴァレリオ(アンドレア・ピットリーノ)と共に、ローマから親友が暮らすトリノにやってきたアンナ(マルゲリータ・ブイ)。トリノ駅に迎えに来たカルラ(ヴァレリア・ゴリーノ)は、傷心のアンナとヴァレリオを笑顔で抱きしめ、自身が住む小さな家の一部屋を明け渡してくれた。
落葉が輝く晩秋の街。一刻も早く生活の基盤を築こうと、仕事探しに焦るアンナ。一方、活発なサッカー少年だったヴァレリオは、孤独をかかえて自転車で走り回るだけの日々。そんなある日、夫からアンナの父親を介してヴァレリオ宛てに小包が届く。 息子にとって自分の選択は正しいのだろうかと心乱されたアンナは、その手紙をヴァレリオから隠してしまう。
ついにアンナの仕事が決まり、足取り軽く帰宅した彼女を待っていたのは、手紙を読んでしまったヴァレリオの失踪。近所のビストロオーナー、マチュー(ブリュノ・トデスキーニ)の助けもあり、ヴァレリオを見つけるが、彼の心は硬い鎧をまとったままだった。
人々の心に支えられ、人生の再スタートに向けて歩もうとするアンナとヴァレリオに、ある朝、小さな奇跡が訪れる…。
感想
ちょっと『少年と自転車』を彷彿。
息子役のアンドレア・ピットリーノがいい。13歳っていう、全くの子供とも違うし、女の子ことを意識したり、親のことを疎ましく思ったり(とくに異性の親に対して)と、難しい年ごろだ。そんな思春期の多感な難しい役どころを感性豊かに演じてる。しかもちょー美少年。今後に注目だよね。
今のわたしには、親の気持ち、子供の気持ち、どっちもわかる。
親は子供を守りたい。そのために嘘もつくし、隠し事だってしてしまう。でも子供がそれを知ってしまった時、どう思うか…?
知ってしまうのだ…
親の言い分、子供の言い分。
知らない街に連れてこられた息子ヴアレリオの孤独と苛立ちは手に取るように分かるし、だからそんな中、優しくしてくれる娼婦に仄かな恋心を抱いてしまったって、うなづける。健全ぢゃないけど…。そして母親の裏隠し事に、娼婦の本当の姿を見てしまい、みんなに裏切られた気分になる。
すれ違う母と息子の気持ち、関係はどんどん悪化する。
どーなる?
どーする?
そこから抜け出せたのはマンションの向かいのビストロオーナーのおっちゃんのおかげだ。このおっちゃん、いい人なんだよな。お母ちゃんと一緒になればいいのに、って勝手に思っちゃいましたが…。だっておっちゃん、まんざらでもなさそう?
そして、そのおっちゃん他、少年に絡む全ての人が、優しく少年を見守っている。
絡むって言ったら、あの娼婦の弟って…、もしかして…(これは言えない…。間違ってるかもしれないし。劇場で確認してね)
全部が好転しそうで、ここからリスタートって感じのラストは、頑張れって応援したくなる。簡単ぢゃないけど、この親子なら大丈夫、って。
改めて、持つべきものは友達だよね。辛い時、悲しい時、助け合える、支え合える、そんな友達。
素敵な、心温かくなる、人間ドラマでした。
監督・脚本
イヴァーノ・デ・マッテオ
キャスト
マルゲリータ・ブイ
ヴァレリア・ゴリノ
アンドレア・ピットリーノ
ブリュノ・ト デスキーニ
原題『LA VITA POSSIBILE(人生は可能=人生はやりなおし可能)』
2017.10.17 ニッショーホール 試写会