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デトロイトのkenのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.0
1967年7月23日〜27日にかけてデトロイト暴動は起きた。その最中に発生したアルジェ・モーテル事件を題材にした映画である。ミシガン州はこの暴動を鎮圧するため、陸軍州兵を投入したが43人も死亡し1189人が負傷したという。

黒人に対する人種差別がまだ酷かった時代にて、犯罪の有無にかかわらず差別的な対応が日常茶飯事で行われていたのは想像に難くない。現場の若手警察官の対応はあまりにも非人道的で怒りが込み上げてくる。黒人が犯人で100%間違い無いという確信のもと、犯人に仕立て上げるべく行う尋問の酷さは見ていられない程である。若い未熟な警官が権力の傘を借りてやりたい放題、最後には無実の黒人をゲーム感覚で誤って射殺してしまう。

それでも裁判で有罪にならない米国の法律には大きな疑問を感じた。同じ人間が法の元に公平に扱われていない。法律に従って言動すべき警察官がこのレベルでは当時のデトロイト市民は不安で夜も眠れなかったに違いない。
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