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ブックセラーズのkenのレビュー・感想・評価

ブックセラーズ(2019年製作の映画)
3.7
本を愛する人達を巡りブックセラーの世界を紹介しているドキュメンタリー映画である。公開日の4/23は「世界 本の日」と知った。

本屋なら知っている。古本屋の存在も知っているが特に覗いたこともない。中古の本ならブックオフを覗いて買ったことはある。しかし、大概は紀伊国屋、三省堂と図書館しか縁がない。

本を愛してやまない人達は、好きな本や目的の本を探し、買い、売る世界に身を置いている。変わり者の様な人もいれば、古本コレクターや図書館並みの蔵書を誇る人もいる。中には美術館かと思わせる程、美しく本を天井まで棚に並べて整理して、その空間を異次元のものに感じさせる雰囲気のある佇まいにしている人もいる。

多くのブックセラーの皆さんは良いお年を召されていて、この業界にも後継者がいないことが容易に見てとれた。その中で1人溌剌とした若き女性の古本鑑定士の輝いた目がとても印象的だった。この仕事が天職だと気づき飛び込み活躍している姿は業界にとっても喜ばしいことに違いない。

価値のある古本は当然オークションで手に入れるわけだが、オークションで競り上がる価格に驚きを隠せない場面があった。何と「レオナルド・ダ・ヴィンチのレスター手稿」が、史上最高額の2800万ドル(約28億円)でビル・ゲイツが電話で参加して競り落としたのだ。

尚、強面の女性作家が時々登場して辛辣なコメントばかり述べるが、時々笑いを誘う名言⁈も言うので要注目!

世の中はデジタル化の進化とIT機器に溢れて、新聞発行数は減り本を読む機会も少なくなっている。しかし、この映画を観る限り、印刷された本の魅力と読むことへの愛着はいつまでも変わることはなく、本の歴史はこれからも続くものと信じる。

コロナ禍で3回目の緊急事態宣言が発令され、劇場は本日4/25〜5/11までは少なくとも休業となる。ゴールデンウィークは何か本を読むことにしよう。
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