『タクシー運転手』を観て光州事件の事を知ったので、その後の出来事が描かれているこの作品を鑑賞してみました。
光州事件から26年後の物語。
冒頭、光州事件のことに触れてますが、残酷描写すぎて、アニメーションになっています。
光州事件当時、非力な子供が大人になってからが描かれているこの作品。
みんな当時の元大統領が許せなくて怒りに震えている様子。光州事件の背景を少し知っていたので、この作品の背景も読み取ることができました。
当時の遺族である者たちが集められ、『元大統領を暗殺せよ！』と復讐する計画を立てていくという物語。
『タクシー運転手』を彷彿とさせる、遺族側の団結して訴える姿はこの作品でも見事に描かれています。
この大統領役の方、レビューしてませんが『トガニ』という映画でとてもひどい悪役をしていた名優さん。今回もとても憎たらしく演じています。顔を見たら忘れられません。
未だに遺族に対して反社会的勢力と攻撃する政府にも憤りを感じずにはいられません。この事件の背景にある遺族の無念さや苦しみは計り知れないものがあります。
光州事件という悲劇によってバラバラになってしまった家族の無念を胸に苦しんできた被害者遺族、反対に政府側にいた加害者も、後悔の念にさらされていく対比が描かれているこの物語のやるせなさ。みんなが傷ついている姿がほんとに胸が痛みます。
この問題に解決策なんてきっとないですが、憎しみに支配されることなく進んでほしいなと願うばかりです。
