Malgre la nuit(原題)の作品情報・感想・評価

「Malgre la nuit(原題)」に投稿された感想・評価

ロラン

ロランの感想・評価

5.0
恋人を探しにパリへと帰郷した青年が二人の女との出会いをきっかけに、アングラなポルノの世界へと巻き込まれる映画。『夜にもかかわらず』というタイトルが示す通り、画面の多くを暗闇が支配する。その暗さが空間をも曖昧化するような映像の幻覚性は、デヴィッド・リンチの『インランド・エンパイア』を彷彿とさせる。

主人公が出会う二人の女のうち一人を演じるアリアン・ラベドが一身に被る男性的支配の暴力性は受け入れ難いけど、もう一人の女、ロキサーヌ・メスキダが歌う場面には無条件の感動があった。大部分が暗闇で展開する映画が彼女を照らす白い光への感動。非情な運命を背負うアリアン・ラベドが主人公と浸かる浴槽で見せる微笑も忘れ難い。

宿命的な死を迎えるラストに「天使」が召喚されるのもやはりデヴィッド・リンチ的で、その曖昧で混沌とした世界の魅力には抗えない。