三畳

きっと、いい日が待っているの三畳のレビュー・感想・評価

4.0
たとえ映画の中とはいえこんなに子供を痛めつけていいのか?

ヒューマンと見せかけて加虐的趣味の人たちが楽しむために作った映画なのでは?

ところがなんと、この話ノンフィクション。
「実話だからなおさら残酷」ってレベルじゃないです。
フィクションでも見るに耐えないくらい酷いのに、ましてや現実にあったことだとは。

権力、経済力、暴力、どうやっても太刀打ちできるはずない大人の力で囲い込んで、輝くために生まれてきた子供達の純粋さを捻り潰す。こんなの保護施設どころか犯罪者養成所だよ。ショーシャンクなんて可愛く見えてくる。どうか、どうかこんな大人にならないで。

っていうかどんな凄まじい人生を歩んだらこんな校長の性格になれるのか。
職員も首を質にとられて言いなりになってるけど、こんなところさっさと辞めればいいのにそうしないのは他に雇われるあてのないやはり底辺の教師達なのか?

荒廃した環境に不時着してしまった流れ星のようなエルマーの想像力が、みんなの淀んだ瞳にささやかな光を取り戻す。

唯一優しくしてくれた先生。あなただけが救いなのに、あと一歩頼りない。

いつコーラスとかカッコーみたいに明るくなってくのかな?と待てども待てども、一向に状況は良くならない。

デンマークといえば鬱映画の代名詞、ダンサーインザダークを思い出させる、報われなさが積もっていき、最悪の事態だけはお願いですから避けてください、子供にそんなことさせないでください、と手に嫌な汗握らされる。

嫌な予感は的中するが、こんなに美しく描かれるとは、予想を超えてきた!
ワンダー君は太陽でも思ったけど子どもの宇宙服ってなんか切ない。
三畳

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