フランコ

シェイプ・オブ・ウォーターのフランコのレビュー・感想・評価

3.4
題名からはてっきりBruce Leeの伝説の名言、”Be formless.. shapeless.. like water. Now you put water in a cup, it becommmes the cup. [...] Be water, my friend.”にあやかったカンフー映画を期待したがちょっと違った。

怪獣がめっちゃ意思疎通が早く、「ヒト」過ぎてもはや怪獣である必要性があまり見えない。美術とか色彩とか凝ってても行きつくところは政治的に正しくて多様性享受なロミオとジュリエット感に落ち着くのはいかにも最近のハリウッド映画らしい。障がい者、黒人、男色(ケーキ屋の男の手を握る絵描きのおっさん)、移民(スパイ科学者、半魚人)ってマイノリティチームが団結して高圧的な白人暴君に立ち向かう。安易にストレートな下ネタに走るとことか、ほどほどにグロい感じがアメリカの高校生っぽい。ラストでヒロインが水中で流血してるとかスコリモフスキ『Deep End』だなぁと思ったり、水中ヌードといえば『Tuvalu』のチュルパン様が至高だったなぁ、と思ったり。言葉ではなく身体性に感情を委ねる手話は映画的だし、サリー・ホーキンスも良かった。色調は良かったがいかんせん薄暗くてコントラスト不足。

2018/3/22 TOHOシネマズ 渋谷
フランコ

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