keith中村

シェイプ・オブ・ウォーターのkeith中村のレビュー・感想・評価

5.0
2018.3.5、つまりオスカー発表当日のFacebook投稿より。

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「シェイプ・オブ・ウォーター」鑑賞(ネタバレなし)
 
 今日この映画を観に行くほどミーハーな行為もあったもんじゃないが、前から今日行こうと思ってたんだから仕方がない。
 
 冒頭のヒロインが目醒めるシーンから「ああ、この映画は名作に違いない」と確信し、終わった後、心から「いい映画だったなあ」と爽快な気持ちになりました。「パンズ・ラビリンス」を超えたな。
 あっちは「だって、この人の顔があの人と同じってことは、ほら、そういうことでしょうよ」ともう可哀想で可哀想でぼろ泣きだったが、こっちは「うん、ほんとうにそうなったんだよね」と解釈してもいいリドル・ストーリーであることが素晴らしすぎる。
 
 冒頭数分で、テレビから流れる「小聯隊長」。Mr.ボージャングルズとシャーリー・テンプルのタップ。
 ミュージカル好きとしたら、アガらない理由はないこの絶妙なチョイス。
 そんでもって、ヒロインがそれを真似てタップ踏むわけですよ。
 そんなもん、この時点で傑作確定じゃありませんか。
 
 その後もテレビに映るベティ・グレイブルやカルメン・ミランダのミュージカル。
 劇場にかかっている「砂漠の女王」と「恋愛候補生」二本立て(綴りはGRASでいいんだよ!)。
 テーマ曲と言える「You'll Never Know」をはじめとする名曲。
 パーシー・フェイスしか知らなかったんで、「夏の日の恋」に歌詞があることを初めて知った。
 オリジナルスコアも素晴らしい(オスカー獲得!)。
 「ベイビー・ドライバー」ばりの音楽と映像のシンクロ。
 そして何よりも「大アマゾンの半魚人」!
 
 また、フォックス・サーチライトの低予算作品(Wikiによると20億円くらい?)とは思えぬ見事な美術。
 緑・緑・緑・"いや、ティール(笑)"・緑・時々黄・そして赤。
 こっちも納得のオスカー獲得。
 
 そうそう。
 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」に続いて、この映画でもノーマン・ビンセント・ピールを読んでいる人間をディスっていました。これはあからさまなトランプ批判。
 
 「オクタヴィア・スペンサーが脇を固める映画は傑作だ」神話にさらに一本追加。
 彼女はこっちの施設で掃除人をしつつ、かけもちで、NASAでIBM触ってたんだな、と思うと楽しくなる。
 
 ギレルモ・デル・トロ監督、作品賞・監督賞おめでとうございました!!
 本当にいい映画を見せてもらった~♪