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あゝ、荒野 後篇の地球へのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)
4.0
訳ありの青年二人の物語 後編

前編は少年院帰りの青年(新次)が主人公であったが、後編は内気な性格の青年(健二)が主人公だと思いました。

ひょんなことから2人は知り合い、そしてボクシングを始める。
新次は復讐のためボクサーを目指す。
健二は自身の性格を克服しようとして、自己の過去と決別したくてボクサーを目指す。
そして、新宿という荒野で生きようともがく人たちの葛藤と苦悩も並行して描かれている。

復讐は決着がつく、そして過去からの決別に賭けるステージへと進む。
このラストステージへと全ての登場人物がつながっていくのですが・・・
しかし、主人公の2人に絡む周囲の人々のサイドストーリーがどれも未決着となる。
前編で丁寧に描かれた伏線がほとんど回収されずに終わってしまった。
何だったのか?

『生きていくことがこんなに辛いのに、何故生きていかなければならないのか』、これが登場人物全員に共通したテーマであったのでしょうか・・・
そして、「3.11」から10年以上たっても問題を解決できていない、現実社会は荒野そのものだと考えさせられました。

サイドストーリーを削り、主人公の2人に絞った特別編(1本の作品として)に再編集して欲しい作品です。



★以下は若干ネタバレです

ラストには大きな疑問が残りました。
あの死体は誰なのか?
「二木健○」では健二なのか建夫なのか?
バリカンには生きて欲しい・・・

イヤイヤ、あの試合は健二の妄想だったのかもしれません・・・
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