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ちはやふる ー結びーのoldmanSEヨKのネタバレレビュー・内容・結末

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

それなりに楽しめたけれど、長かった…。

上、下の句を合わせてイッキ見し一本の気分だったので、なんとなくスルーしてしまっていたモヤモヤが、今作でハッキリしました。

《強さのインフレ問題》

人としての能力は、若宮詩暢(松岡茉優)の描写で、ほぼMAXに達していたと思います。
それを更に越えてしまうような周防(賀来賢人)が出てきてしまった。
でも“強さ”を描きながら長期連載するとしたら、ひたすらインフレしてゆくしかない。
そして、その路線を続けるなら、行き着く先は宇宙をバックに「ギャラクティカマグナム!」とか「みんなの元気をオラにくれ!」、或いは読み手の脳内をテレパシーで読んだり、瞳に映った文字を読んだり、念力で相手の札をキャッチしたり、硫化水素を発生させたり…などと展開するしかない!

そういう意味で、今作ではもうインフレする能力値の描写に関しては、一旦区切った方がよかったように感じました。

そして、この作品のもう一つの潜在的な可能性としての道“団体戦”である友達、恋愛etc.…のネタの展開に統一して欲しかった。

原作から離れて映画の尺名目で、能力値絡みのエピソードは全てカットしてしまえば、もっと3人の関係や其々のカルタ部などを、もう少し面白く描けたんじゃないかなぁ〜と、個人的に思いました。
特に、我妻伊織(清原果耶)と千早の話はもっと観たかったなぁ…。

つまり…周防のエピソードをカットするだけでも(周防&賀来さんファンごめんなさい)、キャラ詰め込みすぎの感は相当整理されたのではないでしょうか。(WOWOWとかネトフリSP or ソフトの追加特典映像or完全版とかで復活させる感じ)。

あと、クライマックスの太一の登場、いくらなんでもエントリー変更を直前まで部員全員が知らないとかってどうなんだろう(?)や、本来、詩暢より強い新を逆転する件…など(根拠のない強さもある意味“能力値問題”に含まれる要素だったりする)お約束ではあるけれど…ちょっとヤリ過ぎな感も否めないかなぁ…。

作品の人気はかなり保証されているようなので、映画としてのシリーズ化や或いは、映画の続きからドラマ化などを見越して、今作で怒涛のごとくキャラを詰め込まなくてもよかったんじゃないかなぁ〜と。
後から、それぞれのキャラ目線での話、みたいなのでもいいし。

そもそも、綿谷新(真剣佑)って、若宮詩暢より凄いというエピソードはどこにいってしまったのか…。
若宮詩暢の“札の並び”も投げっぱなしでは?…気になる。

そういう部分を丁寧に描くことでの、“強さのインフレ問題”から路線変更するチャンスが、今作だったように思います。

或いは大胆に、“能力値”というストーリーの外からの一年生の花野 菫(優希美青)目線で進むのも、面白かったかもしれない。
個人的に、SPドラマでもいいけどスピンオフみたいな感じで観てみたい!(笑)
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