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ちはやふる ー結びーのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
4.5
「千年先の未来にも繋がれ!」

前回の2部作から2年後、続編かつ完結編。作中でも前回から約2年が経過し、受験の年から始まる。リアルでも若手の役者陣が一緒に本当に成長しているので、彼等と役のシンクロ部分が多い。

いきなり不満からあげると、これも前回みたいに2部作にした方が良かったんじゃないかなあ、というあっさり気味な惜しい部分がチラホラ。特に不満なのが、かるた部開設当初の千早と太一以外のメンバーが、新キャラの登場によって割食っててそんなに出番が無かったり、新の部開設のドラマが少ないコト。この辺をじっくりやって欲しかった。

あと、今回が団体戦に絞ってる物語だし仕方ないのかも知れないが、クイーンがコメディリリーフになっている。前回を見てたら元々こんなヤツなんで良いんだけど、今作から見たらただの嫌な痛いヤツにしか見えないだろ。やっぱりそこは千早との個人戦をじっくり見せて欲しかった。誤解の無いように言うが、クイーンのキャラ自体は演じてる松岡茉優の色っぽさもあって好きなキャラです。

と色々不満を描いたが、それを補って余りある最高の青春が見るものの胸を打つデキになっている。受験や恋愛という要素を入れつつ、出会いや仲間達との友情のオンパレード。それが全く説教臭くなく、普通に聞いたら臭いセリフもこの映画だと何故かすんなり受け入れられる。何回も泣けたし、自分もこんな青春過ごしたかったたなあ、と何度思ったか。

青春などとは無縁だった視聴者達にも突き刺さる新キャラ、周防名人なる人物も用意されてるのが憎い。かるたが好きじゃないけどそれしか無かった、という高校生達の青春を大人目線で皮肉りつつアドバイスするこのキャラが1番好きかも。

原作がまだ終わってなく、この映画オリジナルの終わり方は賛否両論あろうが、これはこれで王道なラスト。劇中でもあるように千年先も繋がって行くような予感さえする幕引きだが、これで終わりとなると寂しさすら感じる。色々と言ったが、それもこれもこの作品が好きだからこそ。青春映画の新たな金字塔として語り継ぎたい作品だった。お疲れ様でした。