きんゐかうし卿

ランペイジ 巨獣大乱闘のきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 




『何これ、面白いじゃないか』

自宅にて鑑賞。'86年、米国でリリースされたアーケードゲームを原作としたアクション色の濃いアニマルパニック。終始、エンターテイメントに徹した作りで、ラスト迄飽きさせず惹き附ける工夫が凝らされており、CGIも頑張っている。狼の“ラルフ”とアメリカワニの“リジー”が経過と共に怪物じみた変態を繰り返す中、アルビノ・ゴリラの“ジョージ”のみが原形を留めた儘なのは解せない。細かな綻びや明らかに矛盾した描写も多々存在する上、更に(ネタバレとして)“ジョージ”が助かるラストにもやや不満は残ったが、それでも大満足な一本。80/100点。

・オープニングクレジットでのWarner Bros~New Line Cinemaのロゴへの流れ、オレンジ色でピクセルが散らばる画面は、原作となった嘗てのゲームのオープニングに似せているらしい。尚、タイトルコールはエンドロール直前迄、表記されない。

・画面作りの種明かしの様なエンドロール、ワイヤーフレームをフューチャーしたこのタイトルバックは『オブリビオン('13)』を想起した。

・原作となったゲームには“ジョージ(ゲーム版ではアルビノ種ではなく茶色)”、“ラルフ”は登場するが、“リジー”はゲーム版では人間で突然変異後、ワニの様な“巨獣”へと変貌を遂げる。亦、冒頭、宇宙空間でネズミが大暴れするシーンがあり、(ネタバレとなってしまうが)突然変異した生物としてネズミが唯一生き残る──'86年のAtari Lynx版ゲームでは"Larry"と名付けられたネズミが登場する。更に後半、出撃する“ウォートホッグ(イボイノシシ)”や“ホッグ(ブタ)”と呼ばれるフェアチャイルド・リパブリック社が開発した戦闘機"A-10"もゲーム版に登場している。

・ゲノム編集の新技術"crispr"、舞台となるSDWS(San Diego Wildlife Sanctuary[サンディエゴ野生動物保護区])、及び『コンゴ('95)』にも登場したが、手話を操るゴリラは実在する。

・何度か登場するD.ジョンソン演じる“デイビス・オコイエ”が、“ジョージ”を落ち着かせる為、伝える手話(握りこぶしを片手の甲でこついた後、上げる所作)、全編を通し"It's me"と訳されていたが、正しくはWWEで“ビッグ4”と呼ばれていた当時のリングネーム"The Rock"を意味するサインである。

・自称“国民の味方”で、OGA(別種政府機関)所属の“便利屋”、一癖も二癖もある“ハーヴェイ・ラッセル”捜査官役のJ.D.モーガンが凄く佳い。完全なヒール役のM.アッカーマンの“クレア(後半では眼が醒める様な真赤のパーティドレス)”とJ.レイシーの“ブレット”の“ワイデン”姉弟、FBIが捜査の中、着替えてたりする。

・'18年4月末、U.ボルが自身が監督、製作総指揮、(共同)脚本した『ランペイジ三部作』──日本劇場未公開作『ザ・テロリスト('09・原題:"Rampage")、日本劇場未公開作『ザ・テロリスト 合衆国陥落('14・原題:"Rampage: Capital Punishment")』、唯一の日本劇場公開作『ボーダーランド('16・原題:"Rampage: President Down")とタイトルが被ると、変更を求めワーナーブラザーズを提訴し、現在係争中である。

・鑑賞日:2019年1月14日(月・成人の日)