HicK

リングのHicKのレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.1
《深みと切なさ:Jホラー》

【魅力あるストーリー】
恐怖の対象(貞子)を掘り下げその背景に迫るというホラーの形は、怖がらせるだけに留まらず、切ないドラマ要素も生まれ魅力的。この方向性は「Jホラー」として海外からも好評なのも納得。(ただ、今はその跡形も無くなってしまったが)。怖い、でも悲しい・切ない・同情もできる。

【好きな設定】
呪いから逃れる方法は「他人にコピービデオを見せる事」。この方法だけで貞子がどんな意思で呪いをかけたのかが伝わってくる。自身に起こった理不尽な出来事を多くの人に知ってもらいたいと言う思い。それを説明せずとも呪いから逃れる方法として表れているのが好き。

【ゾクっとする終わり方】
ホラームービー的な怖さと言うよりも「人間の怖さ」で締めているのが逆にゾッとして素晴らしかった。でも理解できる行動っていうもどかしさも良い。

【原作】
原作は未読。解説を検索すると1時間半で語れる純ホラーにするために大胆に変更されたそう。残念に思った要素(チート的にスムーズに真相を追える場面等)は、ほとんどその脚色から来ているような気がする。

【総括】
切ないミステリー要素がとても魅力的な作品。

リングシリーズに関しては続々と作り出されて脚色が止まらないので、この辺で原作に忠実なリメイクを出しても面白いと思う。今作はホラーに深みを与えたJホラー最初にして最高の作品だった。

「らせん」とか全く記憶にないので、今度見直したい。
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