Yuma

検察側の罪人のYumaのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.0
まず演技良し、木村拓哉さん、それに脇を固める役者陣はとても素晴らしい。
テーマとストーリー自体は良く見せればよく見える可能性があるのだけど映画としてなんか質が悪い気がするのは好みの問題か。

不必要なシーンや無理やり付け加えた説明シーンが英語全体を矮小化してしまっている

一つ例をあげるなら、序盤に最上が丹野に食事中にテキストで呼び出されるシーン、ホテルの部屋でなにを話すかと思えば昔話だけ。それ緊急?ただストーリーバックグラウンドを観客に説明するためだけに付け加えられたと思われるが、これひとつで彼ら2人の知性や、多忙な人であるという事に対する印象が凄く下がる。

ハッキリ言って序盤にこれやられちゃうとそっからずっとバカにしか見えないってくらいいってもいい。

この後もちょいちょい、それはキャラでなくて観客に向かっていってるよね?ってセリフがでるわでるわ、これはいらん、ってシーンも多いし、重要になりそうな小道具も、それは最後まで使わないんだ?みたいなのが多くて最近こういうの減ってたから久しぶりに見た気がします。

冤罪は大事なテーマだから大事に作って欲しい。
日本の有罪率が異常に高く、冤罪の泣き寝入りも少なからずあると言われており、実際に裁判のプロセスは是枝監督の3度目の殺人をみて驚いた記憶がわりと新しいのですが、裁判前に弁護側と検察側が互いの証拠だしあってある程度出来レースで進むっていうことが、一応調べたら本当にそうだって書かれていて、なんと恐ろしいことだろう。

しかもこの映画、肝心の法廷シーンは描かないんですね

個人的には原田監督の言いたいこと、戦中から脈々と続く日本の悪しき根幹、白骨街道とインパル作戦に象徴される、だとか、単に裁判、冤罪だけではない社会全体としての問題提起には共感するし、その色んな要素を2時間映画に詰め込みまくったのは凄いと思いますが、それだけに色々散漫になってしまっているのかなという印象。

エンタメ映画としてばっちりお金かけて作ってるから、一定の面白さは担保してます。あとは好みの問題ですね
Yuma

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