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ミスター・ガラスのumihayatoのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
5.0
ヒーローだろうがヴィランだろうが
その人にはその人の歴史があり
その中で持ち得た価値観や能力はその人だけのものである。

それが「力」か「思考」か「身体的特徴」か
人が生まれつき持っているもの、人生の中で獲得してきた人と違うことを
「矯正」し「秩序」を「保つ」という理屈は、ナチス始め独裁国家とディストピア社会ではよくみる構図であるし
ガラスが劇中「人と違うことがどういうことか分かるか?最悪の気分だ」と言った様に
現代社会は最早そういうとこなのだ。

前2作では「正悪にのめり込んだ極端な個人がそれを行う」事を描いていたが、今作では「合理性や整合性を求める個人が権力階級に増えた結果、その極端だったはずの思想や方法論がやんわり浸透した社会になってきてしまっていて、個人が気を付ければいいという話でも無くなった」という話になっていて、うまく時代と共に変化し警鐘を鳴らしているシリーズだなと思う。
それぞれがそれぞれのまま、愛を動機に支え合い、足りないところを補い合える世の中になればいいなぁ。

とにかく非常に興味深いシリーズであったし
アニャがとにかく可愛かったなと。
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