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妻の秘蜜~夕暮れてなお~のshishiraizouのレビュー・感想・評価

妻の秘蜜~夕暮れてなお~(2016年製作の映画)
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貧相な町の貧相な家屋、しょぼくれたW不倫をしている夫婦に、同居している旦那の父親はボケているのか寝起きに台所で小便をしようとする。ザンバラ髪、覗き見るような眼つき、地味に声の大きい飯島大介のジジイが絶妙にキモい。
寂しい天使もえは自分を慰め、乗り気でない浮気をし、義父の世話に日々を送る。息の漏れるような小さい声の天使もえは、日々すべての発語がエロく響き、ジジイは彼女をどうにかしたい。
ジジイは日記と痴呆を駆使して彼女に接近を図るが、それがまた小賢しく愚かしく、彼女の怒りを買って表向きの関係が崩壊する。しかしそうして、言いたいことが言えるようになってみると、お互いの愚かさが可愛げに反転する。

義父と嫁でも、恋愛的でもない関係だが、相手の愚を許容するやさしさに、性的欲求不満という情けなさも忘れずに伴う。
みじめで、みっともない、苦々しい日々にも、ふと気の許せる小春日和のような時間が訪れる、緑いっぱいの公園での散策とそこの池でのボート、病室での午睡・・。

シナリオでは、たぶんフェチとして足や乳首が指向されていたものが、じっさいの映画では淡白で、それよりも白いデルタ的なというか、パンティへの偏愛があらわれているのも、JOJO的といえるでしょう
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