あざらし

ゲット・ア・ライフのあざらしのレビュー・感想・評価

ゲット・ア・ライフ(2004年製作の映画)
3.4
「思い描いた人生は、どうあがいても手に入らない。」

駐車している車のガラスが破られました。すぐに赤いシャツの男が飛び出して来ます。彼は銃で、まだ中にいる男性に撃ちまくります。

中から紺のTシャツの男も銃で応戦しました。2人は銃を撃ち合いながら、Tシャツの男が赤いシャツの男を追いかけて行きます。

その銃撃の音を聞いて、まだ小さな男の子がビデオに撮ろうと出てきました。すると…

車の2人は麻薬の取り引きをしていて、その最中にトラブルになったようです。2人は警察に捕まりますが、軽度の量刑で刑務所から出ることが決まります。

息子は無い罪で殺されたのに、当の犯人は軽い罪で出されるという苦しみに、父親は自ら刑務所に入って復讐しようとするのでした。

設定がありがちな物ですが、そのやり方が興味深いです。アメリカの刑務所の中で法の外でのことが多くなされているのはいろいろな映画でも描かれています。

この映画は刑務所内の裏の側面がリアルに描かれているので、そこは面白く観られます。

しかし、映画というよりドラマのような映像の撮り方なので迫力としては落ち着いているかもしれません。そこもリアルと考えれば良いのですが。

刑務所に入っても加害者は何ら反省をしない…反省がチラッともないのに自分の主張をするばかりの罪人が多いのですが、この加害者はどうでしょうか。

環境悪く、悪いことばかりして来た人生の加害者に更生という文字はないのでしょうか?良心の呵責はないのでしょうか?

前半は長く加害者の刑務所内での話が描かれ、後半は父親の復讐です。さて、結末は?

この映画はクライムサスペンスではなくヒューマンドラマです。

「…でも、あんたを赦す。」
あざらし

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