椿、母に会いにの作品情報・感想・評価

椿、母に会いに2016年製作の映画)

TO SEE MOTHER

製作国:

上映時間:72分

4.3

あらすじ

毎日マスクをして路上で看板持ちのバイトをしている30歳手前の女性・椿。自分勝手に言い寄ってくる男たちや疎遠な母との距離感を、開発が進む大阪・梅田を背景にオフビートに描く。

「椿、母に会いに」に投稿された感想・評価

想像力がすごい働く作品です。

想像力豊かな方じゃないと少し難しいと思います。僕はない方です(笑)

彼氏が裸にならないと落ち着かないという性格で、所々笑わせてくれます。想像するところとユニークなところとバランスは良かったと思います。

少しネタバレになりますが、
最初の方は彼氏は上手いこと局部を隠していましたが、後半からもう丸出しになります。ふつうに笑えるんですが、実はこれ最初の方は広く観てもらう予定で、流石に出したらダメでしょとプロデューサーから言われていたらしいんです(笑)しかし監督が裸を撮りたいと言い続けたので途中から撮らせてもらったということです。
それがあったおかげで笑いも上手く取れてたので良かったなあと思います。

全体的に静かで想像力を働かせてくれます。主人公の静かな成長を読み取れたらもっと良かっただろうなと思います。
静かでした、静かなストーリー。今まさに開発され動きある激しい大阪の街と喧騒を離れた下町の見慣れた路地裏、梶井基次郎の「檸檬」みたいに街も光と影。大阪の街中にマスクで顔の半分を隠した女の子も今は見慣れた風景のひとつでした。椿ちゃんの心の中も光と影。見慣れた風景の中で淡々と静かな日常が続くのかと思いました。不思議なキャラクターの人々が徐々に椿ちゃんの周りに来たり離れたりしている間に、椿ちゃんも若くもなく、老いてもなく、生きる為に働くのか、働く為に生きるのか、思春期ほど反発もなく、流されて生きていると、もう現実を変えにくくなる。30歳ごろって思春期から2度目の生まれた意味を考える時期なのかも。その生まれた原点である母との距離や関係にぎこちなくて、家を離れて長くなると親との距離感が掴めなくてツライ、私と似ていて見ていて本当に身につまされて息苦しくなった。そんな気持ちになった方が多かったのでは無いかなぁ。大切な事なのに誰しもスルーしたい事に静かに問題提起された気がします。マスクする事でどこか心をオフって世の中を俯瞰で見る…椿ちゃんが選んだ職業はソコにぴったりハマる。世の中に問題提起するには絶妙な設定、小さな事件、微かな心の動きが全てが絶妙なサジ加減。さり気なさ過ぎる日常の中、椿ちゃんは答えは出たのか、出て無いのか。コチラが考えなくてはならない意味でもスゴく心に残る。