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女は二度決断するのKKのネタバレレビュー・内容・結末

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

感情が揺さぶられる。

邦題「女は2度決断する」
嫌いじゃないタイトルだし、パッケージとも合ってて、実際タイトルに惹かれて借りたとこもある。
けど、若干違う感はあるな。
もっと切ないタイトルのが合ってそう。

ダイアン・クルーガーの演技力....


胸が締め付けられるし、めちゃめちゃ心を掻き乱される。
序盤の、母カティヤの悲しみの叫びは本当に辛かった。あんな一瞬で引き込まれ、心身を引き裂かれるような感情にさせられる演技はなかなか無い。

警察の他意を感じる捜査、義理の母、実の母親からの心無い一言。
「あなたがちゃんと子供を見ていれば」
そんなことカティヤが1番分かってる。
あんたに言われなくたって死ぬほど後悔して、死ぬほど苦しんでる。
心配してくれる親友もいたが、子供を産んで幸せそうな顔。カティヤにとってそれはむしろ残酷な事だったかもしれない。

そして裁判。
ドイツの裁判所ってあんな感じなのか。
初めて見たけど、日本とだいぶ違う。

あんな嫌悪感のある裁判は見たことがない。フィクションだと分かっていても胸糞悪い。
どんな人間だとしても、弁護するのが弁護士なんだろうけど、あんなに人の心を持っていない人間ているのか。
弁護士って「正義」を求める職業ではないんだようなぁ。
だとしても、あの判決は流石に吐き気がする。



最愛の2人を殺され、自らも1度は死を決意した。その中で、見つけ出された犯人が、おかしな理由で無罪になった。
その時の絶望と怒りは計り知れない。
けど、カティヤの表情からは、ただ呆然とした虚無感だけがあるようにも見えた。

法で裁けないなら......
と考えるのはごく自然な心情だと思う。
もし、自分の家族が殺されたら、復讐したいと思うのは普通のことだろう。
最愛の2人を無くした時点で、カティヤは生きる意味を見いだせなくなってる。
たとえ最終的に裁判で勝ったとしても、息子と夫は帰ってこないし、心は壊れたまま。なのに、犯人たちが、のうのうと暮らしているのは、どうしたって許せない。


Ⅲ.海
カティヤの葛藤
そして、最後に息子たちの動画を見て決断した.......


何が正しいかなんて分からない。
カティヤも、やろうとしている事が間違っていることは分かっていた。

ラストの曲もとても切なかった.......
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