Otun

ラッキーのOtunのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
4.1
年末。
何かしらお仕事をする→何かしらお金を頂く→何かしらお酒を頂く→何かしらおしっこになる→何かしらお仕事をする→何かしらお金を頂く→何かしらお酒を頂く→何かしらおしっこになる、この無限ループ。
現在。明け方。で今しがた、ふらふらでおしっこをした直後です。何やってんだよ。
俺は、何を齢42にもなってやってるんだろう。

あの頃は違った。20年ほど前。首都、東京の吉祥寺と言う街には、バウスシアターと言う、それは素敵な映画館がありまして。
私はその映画館が大好きで、機会があれば何かしらの映画や特集上映を観に行ったもんでした。私も、今みたいに労働をおしっこに変換することばかりしてもいなかった。
そんな処女の様に穢れをしらない私に、カネフスキーやカサヴェテスを教えくれたのもバウスシアターだった。
また、タランティーノやウディアレンの様な痛快な映画を、シネコンとはまた違う味わいで観ることを感じさせてくれたのもそのバウスシアターだった。
数年前。閉館すると聞いた時は我が耳を疑った。あまりの衝撃にその場に寝転がり、バタバタと手足を抽象的かつランダムに上下させ「旅行け~ば楽しい~ホテル三日月~♪」と全力でシャウトし、泣きながら駄々をこねたものでした。

あれから4、5年。
平成最後の年の12月14日。渋谷のミニシアターの最高峰、あのアップリンクの支店「アップリンク吉祥寺」が出来た。
PARCOの地下二階にあるその映画館は、まるであの日のバウスシアターの様にわくわくの詰まっている映画館だった。
そら行きましたわ。バウスシアターみたいに小さい劇場。30人くらいの劇場で今作を初見した。

もう老人になっていた、パリテキサスのハリーディーンスタントン。
もう、中年になった私。

丸二時間。
新しい映画館で、至福の時間を過ごした。
そして、最後に、私も、ハリーディーンスタントンみたいに微笑んだのでした。