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女王陛下のお気に入りのjunのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.5
原題『THE FAVORITE』
邦題『女王陛下のお気に入り』
なんか邦題になると急にチープ感…
とかどうでもいい話は置いといて😅


18世紀初頭のイギリスを舞台に流産や死産を繰り返し17人もの子供を失い情緒不安定な女王アン。そのアンの1番の“お気に入り”(←結局使う笑)になろうとする2人の側近がめちゃくちゃ生々しい蹴落とし合いを繰り広げるお話。

政治に無関心なアンに変わって実質政権を握っているサラ。そこへ現れたサラの親戚で美しい容姿のアビゲイル。実は没落貴族であり壮絶な人生を歩んできた彼女はアンの侍女になるやいなやあの手この手でアンに取り入ろうとしじわじわとサラの立場を脅かし始めるーー


その内容とは裏腹に登場する宮廷内部の美しいこと✨全編を通してロケが行われたのはロンドンからすぐのハットフィールドハウス。目を奪われるほど輝かしい壁紙や廊下の床、その他装飾品などその豪華さは一見の価値ありです!


《以下ネタバレあり》







主人公に共感できない系久しぶりに観た。
前半はサラがなんだかいけ好かないなぁと思っていたけど、アビゲイルの自分の目的を果たすためなら手段を選ばないところが受け入れられず途中からサラに感情移入してしまっていた。サラは思ったことははっきり言うし嘘がない。冷たくも映るけどそれこそが愛情だと伝わるので信頼ができるんですよね。それと反対にアン女王にとって耳触りのよい事ばかり言うアビゲイル。その裏には相手のことなど二の次で”とにかく気に入られたい”という腹黒い思いが常に渦巻いている。
でも人間弱っている時は優しい言葉をかけてくれる方へ流れちゃうのもわかるんだよなーと妙に共感してしまった。もう判断力鈍りまくり。
しかしラストでアン女王はウサギを踏みつけるアビゲイルを目撃することで偽りの愛に気付くわけだけど時すでに遅し…。サラを失ってしまう。サラは政権から遠ざかりアビゲイルは侍女へ逆戻り。

結局誰も幸せになれないラスト。
目すら合わせず『足を揉め‼︎』と命令するアンの姿を見た時は『あ、忘れてたけどこの方イギリスの最高権力者だったわ…』ってハッとなる場面でしたね。
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