ニクガタナ

女王陛下のお気に入りのニクガタナのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.7
フォックスサーチライトの快進撃が凄い。予告さえチェックせず、ハートウォーミングな映画だと思って観始めたら女性同士のヒリつくマウントの取り合いでビックリ。痛風持ちで孤独なアン女王に気に入られた二人の女性。国の政治をデザインしようとしたサラと自身の人生をデザインしようとしたアビゲイル。握った秘密を活かして一度落とした身分を持ち上げる強い女性の描き方。なるほどそういう気に入られ方かぁ。大変面白かった。史実活かし、実在の人物登場させて18世紀初頭の風俗を忠実に再現してんのかと思うと舞踏会でコンテンポラリーダンス踊ってみたり、ファック連呼したりと虚実のバランスが絶妙。貴族のやることはだいたい馬鹿みたいで特に男達の描き方が何かと滑稽。森でアクロバティックにイチャつくも相手にしてもらえず、初夜に手コキでイカされちゃうアビゲイルの旦那が気の毒。フィルムで撮ってるのか奥行きのある重厚なトーンに広角レンズの多用が印象的。同じ音が延々続く不安掻き立てる音楽とかサウンドデザインが不思議な効果。美術も衣装もタイトルまでも徹底したデザインで見飽きない。エンドクレジットまでデザインしてる徹底ぶりに感心するが、読みづらいことこの上なし。
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