ダニエラ・ヴェガのための映画
原題は、natural womanではなく、A FANTASTIC WOMAN。劇中ではアレサ版の「ナチュラルウーマン」が流れます。
トランスジェンダーの女性がトランスジェンダーの女性を演じる作品はあまりないと思いますが、主人公を演じるダニエラ・ヴェガ自身はトランスジェンダーです。彼女自身が男性であることに違和感を持ち、13歳で両親にカミングアウトし、14~17歳にかけて性別を変えた。
チリはカトリックの影響が強い保守的な社会で、1999年まで同性間の性行為は犯罪でした。しかし、現在のチリ女性大統領であるミチェレ・バチェレによるLGBTに関する法律が近年制定されて、寛容的な社会を目指そうとしています。
ダニエラ・ベガがどのような人なのかというのが、作品に凝縮されたシーンがあるので、この人については本作を観た後に調べたほうがいいと思います。
一番印象に残るシーンはサウナへいってあるものを取りに行くシーンなのですが、タオルの使い方で男と女の壁を表現するところが見所です。「イースタン・プロミス」以来の素晴らしいサウナシーンです。
10年くらい前にキャロルキングの来日公演を観たことある。
本作を観た後、ジェリー・ゴフィンが作った「ナチュラルウーマン」の歌詞を読むと改めて素晴らしい歌詞だと思いました。