やた

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meのやたのレビュー・感想・評価

4.2
ファンが見たいものをこれでもかと山盛り詰め込んでくれた、サービス精神に溢れる素晴らしい作品だった…!
凸守を推しつつ、どのキャラもみんな可愛くて好きだけどもっと好きになれたな〜
特に勇太とくみん先輩!

勇太は世話焼き的な面よりも、優しすぎるくらい優しくて、まっすぐで自分の意志を貫き通せる強さがしっかり描かれていて、本当にいい男で感動した。六花と出会ったからここまでいい男に成長したんだろうな。
くみん先輩は正直今まで良くも悪くもあまり印象がなくて、まぁこのメンツの中だと、ある程度常識的な役割を果たすキャラがいたほうがいいよなって感じのポジションくらいにしか思ってなかったのに、まさか彼女の言葉に泣かされるとは…!
七宮は相変わらずクイーンオブ健気でかわいくて切なくて、あ〜〜幸せになってくれ!!!と彼女のために叫びたい。いつか七宮も、変わらずに一緒にいたいと想えて想われる相手に出会えますように。
六花は、キャパオーバーすると逃げるところはもう少し成長して欲しいけど、でもそんな六花を引っ張り戻したり、逃げるなって言って一緒に悩んでくれる勇太や友達たちができたのは、六花だからこそだと思うのでそこもひっくるめて良かった。六花がこうでないと、ストーリーも作りづらくなるだろうし…というわけで不定期でいいから、新作を作り続けて欲しい。

凸守と森サマーはもうなんというか…感謝しかない。たまに凸守の言動がケンカップルの域を超えるくらいひどくて、もうちょっと森サマーに優しくして〜!とヒヤヒヤするところもあったけど、そんなもの外野の野暮な心配に過ぎなかった…
凸守は本当に六花のことを慕っているぶん、勇太のそばにいる六花に対して寂しく感じたりモヤモヤすることがこれからもあるだろうけど、それを森サマーがなだめて埋めてあげてるんだろうなぁ。凸守が心の底から甘えられるのは、きっと森サマーなんだと思うし、今回で改めて確信した。
森サマーは少女漫画脳で恋する乙女の味方なところが本当にかわいい!勇太と六花は本当に森サマーに色々感謝すべき。

勇太が十花さんに送ったメールとか、指輪のくだりとか、凸守と森サマーの初夜とか、鉄板の流れがとても気持ち良くて、改めて上手いな〜!と思った。
いわゆる鉄板ネタというのは、ただの「見えすいた展開」や「ベタ」「ありきたり」になってしまうことも多いけど、ちゃんと「王道」として気持ちいいところにハマった!と思わせるのは、ここ作品が受け手に期待させるお膳立てをきちんとしてくれているからだと思う。
そのお膳立ての中の重要な要件としてキャラクターの魅力があって、その魅力を端的に言うとキャラクターの「素直さ」「優しさ」で、それが受け手に「応援したい」と思わせる装置になっているんだと思う。
ただこの「素直さ」「優しさ」をキャラクターそれぞれの個性に落とし込んで表現するのってかなり難しいと感じていて、ストーリーが成立しなくなる障壁になり得るし、少し間違えると受け手を不快にさせることもある。
でもこの作品はそれを、テレビ版から通してしっかり描けているように思えて、だから観ていてこんなに気持ちが良いんだなと感じた。

いくらでもネタはあると思うので、まだまだこの子たちの物語を作って欲しいなぁ。特に凸守と森サマー、二人をメインにした話をぜひ…!
やた

やた