emily

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のemilyのレビュー・感想・評価

3.5
結婚3年目の夫婦。夫のじゅんが帰宅すると、血を流した妻のちえが。。死んでるのかと思ったら実は死んだふりだった。その日を境にちえは毎日夫の帰宅に合わせて死んだふりするようになり。

ユニークな妻の奇行、いつだって無邪気にわらってるちえを演じるのは榮倉奈々。そのピュアな笑顔と思考に振り回されてる夫であるが、とにかく榮倉奈々のピュアさが可愛い。すっぴん風メイクも似合っており、無邪気さとアンバランスな手足の長さも良いバランスを作ってる。

レベルの高い死んだふりに魅せられコミカルタッチだが、徐々に確信に迫って行った時、夫が見えてなかった妻の愛の深さが見えてくる。言葉にしないと伝わらないこともある。しかし敢えて言葉にしないから伝わることもある。

「月が綺麗ですね。」に秘められた意味は見ようとしなければ見えない。夫婦とはいえどんなに長く寄り添ったとしても、相手の気持ちは分からない。知ろうとする気持ちが互いの距離を近づけるのだ。

全て知る必要はない。これから知って行けば良いのだ。一番近くて一番遠い。近いから本当に大事なものを見失ってしまう。夫婦の形は人の数ほどあっていいのだ。間違いと正解もない。お互いがよければそれで良いのだと。

笑いから感動へ自然と流れていき、夫婦の本質をしっかり訴えかけ、考えさせられる作品になっている。
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