昼行灯

世界で一番ゴッホを描いた男の昼行灯のレビュー・感想・評価

3.5
ゴッホの複製画を20年も描き続けているのに、実物を見たことはない男。というと奇想天外な話に聞こえるが、実物を見たことがなくても夢中になれるものは意外に世の中溢れていると思う。

"見る"ではなく"描く"というアプローチでゴッホに向き合ってきた男が"本物"に出会う瞬間。そこに行き着くまでに20年を要した男の目に映る"本物"。職人の前に立ちはだかる芸術。描き続けたからこそ分かること。人が啓示を受ける瞬間を垣間見る。

「もし今ゴッホが生きていたら、彼が就寝中でも俺はかまわずドアをノックする。想いをゴッホに伝えるんだ。あなたに憧れ尊敬して、千里どころじゃない、はるばる万里の彼方から、会いに来たんだと。」
昼行灯

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