ベビーパウダー山崎

情炎お七恋唄のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

情炎お七恋唄(1972年製作の映画)
3.5
愛する男が忘れられずに気が狂う、窓の外の粉雪が妄想での灰燼へと繋がり部屋中に火を付ける小川節子。燃え盛る屋敷の屋根に登り猛火のなかを舞い、混乱した群衆に逆らい彷徨い歩く。炎からの雪、狂気からの絡み。心が病めば病むほど小川節子の肌は白く美しく澄んでゆく。ラストはブレッソン『ジャンヌ・ダルク裁判』ばりの焚刑。死に際に男の名を叫び、罪人が焼かれる姿を見に来た野次馬にまぎれて女中は自慰行為。おそらく小原宏裕のベスト。