ベビーパウダー山崎

夢が作られる森のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

夢が作られる森(2015年製作の映画)
2.5
ある公園を舞台にワイズマン的なアプローチで接近し、所々で作り手がその人物に話しかけていくドキュメンタリー。社会の中心にはいられないような人たちばかり出てくるが、身なりと同じような平坦な答えしか返ってこないから退屈。これなら池袋の西口から北口辺りをふらふらと一日かけて観察しているのとそう変わらない。
ずけずけと他人の領域に近づいても、それぞれの「余所行きの顔」しか映せていないように思える。現状の立ち位置を聞いて、はあそうですかでは弱い。作り手の格好つけた「記録」など求めていない。しれーとした態度で淡々と人間の負の日常を映し、生々しい「イイ顔」が剥き出しになるのが「映画」。ワイズマンの凄まじさが逆に際立つ。二時間半えらく長いが、カップルの情事を覗きピチピチのズボンの上から陰茎をこする仕草を見せつける変態が出てくるくだりがベスト。