ノラネコの呑んで観るシネマ

悪女/AKUJOのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
4.7
こりゃ凄え!
冒頭8分に及ぶPOVのワンシーンワンカット風アクションシークエンスに度肝を抜かれ、もうこれ以上は無いだろうと思わせておいて、存分に期待に応えてくれる。
バイクチェイスしながら日本刀で斬り合いとか、ホントにどうやって撮ってるのか分からないぞw
ストーリー的には「ニキータ」のバリエーションと言えるもので、実際オマージュを捧げたシーンもある。
しかしそこから更に、ふた捻りくらいして来る凝ったプロット。
前半は冒頭いきなり暴力団を壊滅させたヒロインが、国家情報院の暗殺要員に育て上げられるプロセス。
後半はシャバに出た彼女が、任務をこなしつつ運命の敵と対峙する。
途中時系列を行ったり来たりしながら、彼女の過去が徐々に描かれ、凄まじい戦闘力の謎、幼少期の悲劇の秘密が明かされて、最終的に現在に収束する構造。
終盤の怒涛の展開は、韓国映画らしく全く情け容赦ない。
その分、最初から最後まで、悲しい運命に翻弄される、ヒロインの悲劇性が極まる。
敵のボスキャラの行動原理が弱かったり、伏線が生きてない箇所があるのは難点だが、アクション映画の新たな地平を切り開く、戦闘ヒロイン物の傑作!
情念の暗殺者、キム・オクビンに惚れた!
ちなみに彼女は究極の巻き込まれ型キャラで、決して「悪女」では無いと思うんだが、なぜこのタイトル?
ブログ記事:
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