円柱野郎

マクラーレン ~F1に魅せられた男~の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1959年にF1デビューし、後に自身のレーシングチームを立ち上げたブルース・マクラーレンの伝記ドキュメンタリー映画。

“マクラーレン”と言えば今ではF1コンストラクターとしてのイメージが大きいけれど、本作はその創業者の生涯をまとめた作品。
難病を克服し、'59年にF1でその後43年間破られなかった最年少優勝記録を打ち立て、'66年にル・マン24時間で優勝し、'70年のテスト中に事故死を遂げる。
その時32歳という若さだったというのが改めて考えるとすごい。
そして自身が創設したチーム「マクラーレン」は今や名門としてその名を刻んでいるし、太く短い人生とはこういうことを言うのだなと思った。
'64年のレースで事故死した仲間への弔辞で彼が読んだ
「高みを目指した結果命を落とすことは無意味ではない。(中略) 人生の価値は足跡で決まる。長さじゃない。」
という言葉は、彼の人生そのものを暗示していると同時に、その説得力は彼が言ったからこそのものだよな。
当時のレース界は才能があれば彼の様になれるチャンスのあった時代だったという事もあるのかもしれないけど、その才能と努力をすべて注ぎ込んだからこその太い人生だったのという事は間違いないだろう。

ドキュメンタリー映画としてはとてもオーソドックスな作りだったとは思うけれど、ブルース・マクラーレンに関する映像は初めて見るものが多かったし、'50~'60年代当時のレース映像も興味深く観ることができた。
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