たた

JUNK HEADのたたのレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
4.1
劇場に入ると、予約してあった僕の席に、見知らぬお兄さんが座っていた。
チケットを確認させてもらうと、確かに同じ席番、同じ映画、同じ上映時間。
…?
どういうことだ。
もしや彼は平行世界から紛れ込んできたのか?いや!もしかしたら、この僕の方が、…。
窓口に確認に行くと、お兄さん、間違って翌日のチケットを予約してたようです。おいスタッフ、発券した時に気付け。
異世界にはそう簡単には行けないようですね。そう思うと、いろんな世界を手軽に体験させてくれる映画ってすばらしい文化です。

・・・・
・・・・映画の感想。

うん!
カルトムービーとか、狂気の、とかが宣伝文句に入ってるけど、そんな言葉で入り口を狭めないで、誰でも楽しんで欲しい面白い作品でした!
遠い未来の地下文明社会で繰り広げられる、胸アツ冒険SF映画。と捉えましたが合ってますか?

あらすじ。
不老長寿を実現したものの、その代償に生殖機能を失ない、絶滅の危機を迎えた人類。

一方、かつて地下世界の開拓のために送り込んだ人工生体マリガン達は反乱を起こして人類と決別し、独自に繁栄し地下文明を築いている。

人類再生のヒントを探るために地下に送り込まれたのが主人公というわけですが、初っぱなから体がバラバラになり、マリガン(地下住民)に拾われてロボットとして再生されることに。
珍妙な地下住民達との出会いと交流、不気味悪いクリーチャーとの戦いを経て、彼が見つけたものは。

・・・・

地下住民のビジュアルや独特の文化・生活習慣が実に珍妙でキモかわいく、この辺がカルトムービーと呼ばれる所以のひとつかなあ。

一番最初に行動を共にするズッコケトリオが、ガンダムのドムみたいでかわいいんですが、後半の再登場には胸が熱くなります。

伝説のハンター・地獄の三鬼神の活躍も少年マンガみたいで好き。
ジョジョ第二部を思い出しました。「シーザアァーーーッ!!」

続編が作られそうな雰囲気なので今から楽しみであります。

・・・・

長尺の作品を全編コマ撮りで、しかもほぼ一人で作り上げた並々ならぬ情熱は、狂気という言葉に置き換えても良いとは思いますが。

CGアニメや普通の実写で制作されたとしても、楽しく観られただろうなとは思います。
でもコマ撮りってあらゆる表現手法の中でもたぶん一番、作り手の苦労や情熱がダイレクトに伝わってくるんですよね。

ただのひとコマも、手の掛かってないコマなんかない。情熱のなせる業です。すばらしい!!面白かった!

「なあ俺達、天国とやらに行けるかな?」
「行けるさ、いいことをしたんだ。なんたって、カミサマを助けたんだからな」
!!!!

( ノД`)…
たた

たた